第4章

この真実を受け入れるなんて、できなかった。

高村優希にさよならも言わず、私は多摩霊園から林田の法律事務所へ直接飛んだ。

深夜の事務所はデスクライトだけがついていて、林田は案件の資料を整理していた。彼は綺麗なスーツに着替えていたけど、手の甲に巻かれた包帯が目に入った。

私は彼の前に現れ、昂った気持ちで彼を見つめた。

「人を殺したんでしょ?」

私の声は震え、心の中はとんでもない恐怖と怒りでいっぱいになった。

林田は作業の手を止め、ゆっくりペンを置くと、穏やかな顔で私を見た。

「ええ。山本翔はもう死にました」

彼の肯定は、まさに青天の霹靂だった。私の中の世界が、一瞬で...

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